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小学校現場で奮闘している広島の教師が、目ざす子どもの姿の実現のために「いい授業をしたい」「楽しい学校生活を提供したい」と集って学び合っています。


学級担任制から学年担任制への転換を

 

≪ 学級崩壊への一対応策 ≫ 

 

 学級崩壊が、今日の学校運営上の大きな問題としてあるようになりました。背景には様々な要因があり、対応策も様々求められるところです。

 ここでは、その一つとして、学校としての組織や運営方法に、有効的な改善策の可能性について考えてみます。

 

 学級崩壊は、担任と学級の子どもたちとの人間関係が破綻した状態ですが、その一因として、旧来然とした学級担任制にもあるのではないかと考えるようになりました。

 学校生活のほとんどが学級単位で行われるため、学級担任一人の技量や人間性によって営まれる教育活動によっては、対応しきれない問題が噴出してきているのではないかと思うのです。

 学校には、年配のベテラン教員もいれば、経験のない新任教員もいます。個々の指導力も様々です。それを皆横並びに学級担任として振り分け、同じ質と量の仕事と責任を負わされることに、そもそもの問題があるように思います。

 すでに、教員全員が一つのクラスを一人で背負える時代ではなくなったと認識しなければならないのではないかと思えます。

 

 そこで、学級崩壊の学級を出さない方策として、一つの学級に一人の学級担任が就くといった考え方から、一つの学年に学級数分の人数の学年担任(可能なら、プラス一名)が就くという意識への転換を図ってはどうだろうかと考えます。学年単学級学校にあっては、低・中・高学年等でグループを組みます。

 この方法の概要は次のようなものです。

  • 学級の枠はこれまで同様にあり、児童の世話や管理も一人の担任が行います。(従来の学級の形を残す)
  • 授業は、できるだけ学年内で専科的交換授業を組んで、どの教員も学年内の複数学級で授業を行います。(特に、音楽・図工・体育等は交換しやすい。国語では、書写や図書等の領域によって分担しやすいでしょう。)
  • 専科教員も学年担任枠に入ります。(交換授業は学年を超えることも可とすしま

   す。)

  • 担任学級を持たない教員一名(教員数確保可能範囲で、できるだけ高学年からこれに充てる)は、授業の他、学年公務や雑務を担任より多く受け持つようにします。
  • 学年合同授業もできるだけ組み入れます。
  • 帯タイム等の学習は、クラスを順に入れ替わって指導するのも面白いでしょう。
  • 教師間の連携が不可欠なので、話し合い等の時間の確保に工夫が必要です。
  • 担当科目数が減る分、教材研究時間の節約が期待できます。

 この方法を採ることによって、学級の枠が外され、学年の担任が学年内全児童の担任という意識で個々の子どもを見ることができるようになります。課題のある児童も、学年全体で受け持つこととなり、多面的、客観的な対応ができます。何より、子どもを中心にした教師間の会話が増え、協働意識が芽生え、「共に育てる」心強さが自信へとつながることが期待できます。

 また、このような教員の団結は児童の心の解放、学習意欲や仲間意識の向上等につながり、主体的・創造的な教育活動にも効果的に作用するだろうと思います。

 更に、手を結ばなければ進まないこの方法によって、機能する組織の一員として動こうという教職員の意識の変容が見られるようになり、学校運営全般に波及することが期待できます。

 

 学級担任制を残しつつ、学年担任的要素を組み入れるこの方法は、学級崩壊という負の状態への対応策としてのみならず、学校を創るうえでの主体的、積極的方策の一つとして有効であると考えています。