前回の「創」の時、今回のオリンピックで教師自身が一番心動かされた選手のことを教材にし、夏休み明けに、ぜひ子どもたちと一緒に振り返って考える機会を持ってほしいと言いました。
私が今年度指導を担当している新任教員は、水泳200メートル平泳ぎで金メダルに輝いた広島出身の金藤理絵選手を取り上げ、休み明けの一週目に道徳の授業として行いました。
新聞記事等で仕入れた資料を整理しながら指導案を一緒に考える過程で、金藤選手の何を一番子どもたちに伝えたいのかを明確にすることにしました。
苦しい練習に耐えた強い気持ちが金メダルという結果につながったのはもちろんですが、今回は、金籐選手のその頑張りのうらにあったくじけそうになった時の家族やコーチの支えに焦点を当てることにしました。
金藤選手の言葉、「応援してくれる人のパワーが私をがんばらせてくれた。」が、そのことをよく語っています。
人は誰も、周りの人とかかわりながら生きています。
今回、子どもたちと金藤選手の偉業を追うことによって、自分の周りの人の存在に気づいたり感謝の気持ちを温めたりする機会になっていたことを、授業後の感想文から読み取ることができました。
このような学習の一つ一つの積み重ねが、子どもたちの生きる力につながるのだと思っています。